デジタルメモ「ポメラ(pomera)」の徹底活用Tips
デジタルメモ「ポメラ(pomera)」(DM-10)はテキスト入力専用のマシンです。文庫本サイズの小さなそのマシンは、軽く3万台を売り切りテキスト入力端末という新ジャンルを築いたと言えます。そこで、今回は、ポメラを徹底活用するためのアイデアやTipsを調べてまとめてみました。
ポメラの素晴らしさとその思想を学ぶ
筆者がポメラ(Pomera)を購入したのは比較的遅めでした。ポメラが発売されてすぐ欲しいと思っていたのですが、何しろ、定価が27,000円だったので尻込みしていました。しかし、しばらく待っていたら実売価格が下がってきたので、チャンスとばかり購入しました。
とは言え、テキスト入力端末という新ジャンルを築いたポメラは本当に偉大です。発売元のキングジム社長も「商品化に賛成した役員は1人だけだった」と発言されていますので、大英断であったようです。
Webも見られない、メールも打てない、他のアプリも一切追加できないというもので、時代の進み方に真っ向から逆転しているのですから、はじめは誰もが売れないと思ったことでしょう。(→仕様)
しかし、「テキストエディタの発想」・・・『コテコテした付加機能はすべて要らないから、一つの機能に特化した使いやすいツールが欲しい』というこの発想はエンジニアの皆が見習わなくてはならないものだと感じます。
ポメラについて
「ポメラ」はテキスト入力専用マシンですからテキストしか入力できません。しかし、テキストの入力機能は素晴らしく、ATOKが入っています。そして、ディスプレイは、なんとモノクロの液晶です。タッチパネルなのかと思い、触ってみましたがタッチもできません。しかし、くっきりと見やすいものとなっています。
文庫本サイズなので、どこへでも持ち歩いて思いついたアイデアや、気になっていた文章をメモするのに最適です。
キーボードについてですが、配置はWindowsのキーボードに近く打ちやすく、タイプ音は静かです。ですから電車の中でタイプしても周りの迷惑になることはないでしょう。既に多くのブログで言及されている通り、小さいがゆえのタイプミスも少ないです。
筆者は通勤電車でノートPCを左手に抱え立ったまま原稿やプログラムを書くことがありますが、だいたい20~30分が限界がきます。これを超えると左腕が攣りそうになるのです。しかし、ポメラなら電池込みで実測360グラムということで、立ったまま長時間の入力にも耐えます。
説明書を読みこなせ!~ショートカットキーを確認
さて、ここからはもう少し、実際にポメラの使い方に踏み込んでいきます。基本的にシンプルなマシンのポメラは、説明書を読まなくても、だいたい使えます。画面左下の[menu]キーを押せば、各種メニューが表示されます。やりたいこと、設定したいことは、だいたいこのメニューの中に含まれています。このメニューの並びも、どことなくWindowsのメモ帳に似ているので迷うことがありません。しかし、せっかくのテキスト専用端末ですので、手になじませ使い倒したいものです。そこで説明書に一通り目を通しておくと、便利な機能を見つけることができます。
メニューを開いたときには、ショートカットキーの表記が出ていないので、気づかなかったのですが、説明書を読むと様々なショートカットキーが用意されていることが分かります。
テキストエディタに標準的に用意されている[Ctrl + S]での保存機能、[Ctrl + N]での新規文書なども当然用意されています。筆者は、説明書をPDFでダウンロードしてこの中から、ショートカットキーの一覧をテキストファイルにして、ポメラに入れて持ち歩いています。原稿書きやアイデアメモに詰まった時に目を通しておくと、さらにポメラが身近になります。
筆者がよく使う基本的なショートカットキーをいくつか紹介します。Windows + ATOK を使っている方には馴染みのものばかりです。
ファイル系
| キー | 機能 |
|---|---|
| Ctrl+N | 新規文書 |
| Ctrl+O | 文書を開く |
| Ctrl+S | 編集中の文書を保存 |
| Ctrl+D | ファイルの削除 |
コピー&ペースト・編集系
| キー | 機能 |
|---|---|
| Ctrl+C | コピー |
| Ctrl+X | カット(範囲切り取り) |
| Ctrl+V | ペースト(コピーした文書を貼り付け) |
| Ctrl+A | 全テキストを選択 |
| Ctrl+Z | (アンドゥ)直前の動作の取り消し |
カーソルの移動系
| キー | 機能 |
|---|---|
| Alt+← | カーソルを行頭へ |
| Alt+→ | カーソルを行末へ |
| Alt+↑ | 1ページ上に移動 |
| Alt+↓ | 1ページ下に移動 |
| Ctrl+Alt+← | 文書の先頭へ移動(home) |
| Ctrl+Alt+→ | 文書の末尾へ移動(end) |
検索&付箋系
| キー | 機能 |
|---|---|
| Ctrl+F | 検索 |
| Ctrl+H | 置換 |
| F3 | 後方に検索 |
| Shift+F3 | 前方に検索 |
| F1 | 付箋の挿入 |
| F5 | 後方の付箋へ移動 |
| Shift+F5 | 前方の付箋へ移動 |
その他
| キー | 機能 |
|---|---|
| Caps | 日本語入力オン/オフ(半角/全角ボタンより押しやすい) |
| F6 | 文字の表示サイズ変更(これ大切) |
| F7 | 文書の文字数の表示 |
付箋機能を使いこなす
ポメラで特に便利なのは付箋機能です。検索機能をより単純にしたもので、F5キーを押すことで「★付箋文★」と書かれたテキスト(F1キーで簡単挿入)にカーソルを瞬時に移動することができます。
つまりテキストを利用したブックマーク機能です。F1キーでブックマークを挿入、F5キー(前方はShift+F5キー)でブックマークにジャンプできるというわけです。
ポメラで会議の議事録を取る場合などは、「★付箋文★」を会議の進行表を書いたところと、議事録を書いているところの2カ所に書いておけば、議事録を書きながら、進行表を確認するという使い方ができます。
また、アイデアブレストをしている時なら、重要なアイデアが出たごとに「★付箋文★」を挿入しておけば、振り返りの時に素早く任意のアイデアを確認することができます。
この付箋機能を「プレゼン」に利用した例が YouTube で公開されています。ポメラの文字サイズを最大にして、プレゼンしたい要点を画面いっぱいに表示し、それを付箋機能で画面を切り替えるというものになっています。
また、付箋機能をテキストアドベンチャーゲームに利用したポメラ★付箋文アドベンチャーも公開されています。例えば、以下のような仕組みになっており、ゲームの分岐を付箋機能で再現しています。
■三叉路A 道がふたてにわかれている どうする? みぎにすすむ →「F5」1回 ひだりにすすむ →「F5」2回 きた道をもどる →「shift」+「F5」2回 ★付箋文★
「たかが付箋機能、されど付箋機能」です。ちょっとしたアイデアで、付箋機能を楽しく活用することができます。
PCとの同期について
さて、ポメラを使う上での肝となるのがPCとの同期です。実際、紙のノートに書くよりもポメラを使って良いことが、入力したテキストの加工が楽であることです。また、そのままブログにアップできるのもデジタルデータの魅力です。
ポメラでは、USBケーブルでPCと接続する方法と、MicroSDにデータを保存する2つの方法でPCにデータをコピーすることができます。(個人的には、USBケーブルでPCと接続する方法が楽だと感じました。MicroSDのカードを抜き差しするのは意外と気を遣います。)
USBケーブルでPCにつなぐと、USBメモリやSDカードを挿したときのように、リムーバブルディスクとして認識してくれますので、必要に応じてテキストファイルをコピーしたり削除したりすることができます。
※ちなみに説明書にも書かれていますが、ポメラの電源をオンにしている間は、PCとリンクしない仕様ですので、ポメラの電源をオフにしてからケーブルをつなぐか、電源オンの状態でメニューから[設定 > PCリンク]を実行する必要があります。
ここで、工夫の余地があるのは、ポメラをケーブルでつなぐと「USBメモリのように利用できる」という部分です。Windowsでは、ドライブのルートディレクトリ(ドライブを開いてすぐのフォルダ)に、autorun.inf という設定ファイルを置くことで、右クリックメニューに独自のメニューを追加できる仕組みになっています。
また、Windows Vista を使っているなら、autorun.inf を工夫することで、ポメラとPCを繋げると同時に、任意の動作を実行するという処理も実現できます。
例えば、autorun.inf に以下のような記述をすると、ポメラとPCをリンクした時にメモ帳を起動できます。
[autorun] action=メモ帳の実行 open=notepad.exe
この仕組みを利用したアプリケーションやTipsがいくつか公開されていますので紹介します。
- pomeraCopy
- 最後にポメラで編集したファイルをPCのクリップボードにコピーするツール
- ポメラで保存した文章をオンラインで同期
前者の pomeraCopy は、ポメラで最後に編集したテキストを探して、それをWindowsのクリップボードにコピーしてくれるというアプリです。外出したときにブログの記事を書いて、それを帰宅したときにアップするときなどに威力を発揮します。
後者は Dropbox などを利用してオンラインストレージに、ポメラのテキストを自動的にアップロードする方法が書かれています。
素早く同期を終える方法
また、PCとの同期を終えるときには、タスクトレイにある「ハードウェアの安全な取り外し」から接続を解除してから、ケーブルを抜く必要があります。しかし、フォルダを開いた状態では「取り外せない」と怒られるので意外と取り外しが面倒です。
そこで、素早く安全に同期を終える方法を紹介します。
(1) UnplugDrive Portable を使う
上記のURLより、UnplugDrive Portableをダウンロードします。そして、ポメラのSDカードの中にコピーしておきます。そして取り外しを実行したい場合は、アプリを実行するか、以下の図にあるように、ドライブを右クリックして「ドライブの安全な停止」をクリックします。
(2) 休止状態にする
まれに、複数のアプリケーションでファイルを開いてしまった場合に取り外しがうまくできない場合があります。また、どのアプリでファイルを開いているのか忘れてしまうこともあります。そんなときには、PCの方をスタンバイ状態か休止状態にすることで、安全に取り外しを行うことができます。
個人的にはしばしば「安全な取り外し」を実行するのを忘れてしまいましたが、今のところ大きな障害は起きていません。しかし、ファイルやSDカードを壊さないために「安全な取り外し」を実行してからケーブルを抜くべきです。ですから、とにかく面倒な時には、PCを休止状態にしてから抜くのが楽で安全です。
まとめ
以上、ポメラを徹底活用するためのTipsをいくつか紹介しました。本稿で紹介したのは、基本的な事柄が多かったので、ポメラの購入を検討している方の参考にもなったことと思います。
外出先でアイデアを書き留めることが多い人や、会議の議事録を素早く取りたい人、通勤時間に何か書き物をしたい人、しばしばカフェを訪れて構想を練る人などはポメラがお勧めです。ただ、基本的に、ポメラでできることは、ノートPCでできますので、ノートPCを持ち運ぶのが億劫なことがある人や、ノートPCを取り出すのが憚られる場面(狭い机での書き物や、立ちながらの作業)などで活躍します。
外出の時には、中くらいのカバンにネットブック+αを入れて出かけるのか、小さめのカバンに携帯電話とポメラを入れて出かけるのかを選択できそうです。たぶん、ポメラを買う人は、ノートPCも持っていると思いますので、うまく使い分けることがポメラ活用に繋がるのではないかと思いました。
買ったのはいいけど、「使ったのははじめの3日だけ」という状態にならないように、使い方を工夫しながらポメラを活用していきたいですね。
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