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未踏採択者による成功する個人プロジェクトの立ち上げ方(3) - 開発に集中できる環境を整えよう

タグ: 実践バグ管理 未踏

個人的に、また、親しい仲間内で、新規開発プロジェクトを立ち上げる時、どのような手順で開発に取りかかるのが良いのでしょうか。Webサービスを作ったり、オンラインソフトを作ったりと、自らの腕を活かしたソフトウェアを開発する際に押さえておくポイントについて紹介しています。ここでは、数人未満でプロジェクトを立ち上げる方法について、未踏採択経験のある筆者が成功するためのアイデアを公開します。

前回までの2回で、企画の立て方や活用したいツールについて紹介しました。今回は、開発に集中できる環境作りについて書いてみます。

会社勤めをしながらでもできる自分プロジェクト!!

筆者は長年フリーで開発を行っていましたが、未踏プロジェクト採択前には、会社員となっていました。それで、未踏プロジェクトに採択された時には、会社側と交渉して、会社の出勤日を週1日だけにしてもらえるように交渉を行いました。これは、未踏プロジェクトを行いながら、一般的な仕事もこなすのは難しいと感じたからですが、同期の多くの開発者たちは仕事勤めを継続しながら、開発を行っている方も多くいました。

昼間の仕事が終わって、帰宅してから開発を行うというのは、なかなか厳しいことです。いくら好きな開発を行うとは言え、仕事が終わってから、もう一つ仕事を行うことになるのですから、かなり心身を酷使することになります。それでも、多くの開発者たちが、そのような状態でも、立派な成果を出しています。成果報告会での席で、その成功の秘訣を聞いてみると、「好きな開発だから夢中で頑張った」という声が多く聞かれました。

しかし、よくよく聞いてみると、根性でがむしゃらに頑張ったと言いつつも、開発を行う場所を工夫したり、少しの時間でも無駄にしないようにという工夫を聞くことができました。

早朝・深夜のファミレスが仕事場

精神論も大切ですが、やはり、開発効率です。開発効率を高める上で重要なのが「集中力」です。では、どのようにしたら集中した時間を作ることができるのでしょうか。

会社勤めをしながら、自分のプロジェクトを進めるのに有効なのは、早朝や深夜の時間のファミレスです。もちろん、自分の部屋で十分集中できるのでしたら、わざわざ出かける必要はないのですが、自宅にいると何かと割り込みが多く発生するのも事実です。割り込みは「集中力」を途切れさせる最大の敵です。一度集中が途切れてしまうと、再度集中するまでには多くの時間を必要とするものです。集中力を長時間連続させることで、開発効率は大きく向上します。

そして、早起き派の人に聞いてみると、早朝のカフェで自分の時間を満喫している人は意外と多いそうです。そして、朝起きて睡眠後の頭はすっきりと冴え、作業効率も相当上がるとの話を聞きました。筆者は早起きができないのでもっぱら深夜に作業する方なのですが、この話は説得力があります。よくあるハウツー本などを読んでいても、「早起き」をして作業を行うというのは、よく出てくる話です。(これを「朝ハック」と言うそうです。)

つまり、早朝や深夜のファミレスやカフェをうまく活用することで、割り込みが一切発生しない集中した作業時間を確保することができるのです。限られた時間で最大の効果を発揮するには、自らをこうした開発環境に置くことが重要になることがわかります。

ネットを見ないで作業に集中すること

また、「ネットをなるべく見ない」という話もよく聞きます。ネットにあふれる情報全てに目を通していると、それだけで一日が終わってしまうということがあるのではないのでしょうか。日々、浮かび上がっては消えていく情報の泡を眺めているだけでは、作業は進みません。「これを作るんだ」という確固とした想いがあるなら、無意味な情報収集を眺める時間を削って開発に打ち込むべきです。

ただし、まったく情報収集を行わないのでは、独りよがりなソフトしか作ることができませんので、一日の中で情報収集を行うのは、この時間だけにしようとか、開発に疲れたときの休憩時間の何分以内だけにしようと、しっかり決めておくと良いでしょう。

また、以前は、カフェやファミレスで作業を行う場合には、強制的にネットから切り離されることになり、作業だけに集中することができましたが、現在では、そこそこ高速なモバイルネット環境があります。

壁に当たったときには、ネットを調べることで、簡単に答えを見つけることができます。ネットなしで作業することは逆に開発効率の低下につながります。そこで、ネットを見るのは、プログラムを作る目的のみに限定し、また、ちょっと調べてみて答えが見つからなければ諦めるようにするのも大切です。

開発成果はできるだけ早く公開すること

そして、開発成果をできるだけ早く公開することも、個人プロジェクトを継続していくことの助けになります。どういうことかと言うと、個人プロジェクトでは、モチベーションが下がりやすいのが大きな特徴です。

ある程度、形にしてしまうと「もう、いいや」という気持ちになったり、また、壁に当たったときに、「難しいから諦めよう」という気持ちになったりするものです。

人間は人とのつながりで強くなります。まだ、完璧にできていないとしても、早めに公開して、人から意見をもらうことで、モチベーションを高めることができるのです。自分のページを訪れた人から「頑張ってください」とか「期待しています」などの応援メッセージをもらうことで、ずいぶんやる気になるのです。また、もし、公開したアプリケーションが、人の役に立つものだったなら、「スゴイ」「惚れた」「待ってました」など、感動を呼ぶメッセージをもらうこともできます。

人からフィードバックが寄せられるようになったら、もうプロジェクトは波に乗ったも同然です。バージョンアップするたびに、多くの意見が寄せられ、開発に弾みがついていきます。

もし有償公開を目的としたアプリケーションでも、開発中のベータ版だけは無料で公開することにすれば、将来の顧客をつかむきっかけにもなるでしょう。

開発合宿に参加して一気に開発を進める

そして、形が見えてきた段階で企画したいのが「開発合宿」です。開発合宿に参加して、一気に完成度を高めましょう。そもそも学生時代には、さまざまな合宿がありました。運動部や吹奏楽部の技能強化合宿や、受験前の学習強化合宿など、これらの合宿を通して、友情を育み結束力を高め、集中して目標達成に向けて取り組むことができたのではないでしょうか。数人のチームで開発しているなら自分たちだけで企画することもできますし、個人で開発しているとしても、同じ志を持つ仲間を集めて、合宿を行うことができます。

開発合宿では、いつもとは違う環境に身を置くことで、いつもとは違った視点で開発を行うことができます。また、ここでも一切の割り込みが入らないので集中して開発を行うことができます。時間をかけないと乗り越えられない技術的課題に取り組むこともできるでしょう。

もし、身近に仲間がいない場合でも、「一人開発合宿」と称して、一人旅に挑戦するのも良いかもしれません。

開発合宿で留意しておきたいのは、ネットが使えない可能姓があるということです。温泉宿では、そもそも、ネットが使えないことが多いのです。そこで、あらかじめネットが使えることを確認しておくか、オフラインであったとしても支障がないように、技術的なマニュアルをローカルに保存しておくなど、工夫しておきましょう。

まとめ

以上、今回は開発に集中するために、どのような工夫をすることができるのかを紹介しました。早朝カフェでの開発や一人合宿など、筆者自身も試していないアイデアもあります。人それぞれ集中できる環境や方法は違うと思いますので、ぜひ、いろいろな方法を試してみて、お気に入りの方法を見つけてください。

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執筆者紹介

クジラ飛行机

クジラ飛行机

くじらはんど(http://kujirahand/)にて、日本語プログラミング言語「なでしこ」(IPA未踏ユース採択)、テキスト音楽「サクラ」(OSPオンラインソフト大賞入賞)など多くのオンラインソフトを開発。著書に「Flexプロフェッショナルガイド」「なでしこ公式バイブル」、「一週間でマスターするActionScript3.0」など。

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