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未踏採択者による成功する個人プロジェクトの立ち上げ方(1) - プロジェクトに役立つツールを揃えよう

タグ: Wiki バージョン管理 プロジェクト管理 未踏

個人的に、また、親しい仲間内で、Webサービスを作ったり、オンラインソフトを作ったりと、自らの腕を活かしたソフトウェアを開発される機会もあるでしょう。ここでは、そのような個人プロジェクトであったり、数人規模のプロジェクトの立ち上げ方について、未踏採択経験のある筆者が成功するためのアイデア・ノウハウを紹介します。

前回より、個人から数人以下(ちょうど未踏プロジェクトなど)で役に立つ、プロジェクト管理のアイデアを紹介しています。前回は、もやもやとしたアイデアを企画書にまとめるところまでの部分を紹介しました。今回は、プロジェクト管理を円滑にするためのツールを準備していきます。

ツールをうまく利用しよう

個人のプロジェクトでも、ある程度規模のあるソフトウェアを開発しようと思ったとき、何の助けもなしに、気合と根性だけで挑戦するなら、無謀というものです。それは裸で富士山に上ることに似ています。

(ソフトウェアの開発はよく登山に例えられますのでこの例えを用いますが)登山をするときには、やはり登山用の靴や杖、防寒具などを用意する必要があります。もちろん、裸同然で山頂にたどり着ける能力を持った天才達もいますが、普通は登山に適した道具を揃えるものです。

ここでは、ソフトウェアのプロジェクトを始める上で大切となる各種ツールについて簡単に紹介します。

情報共有のためのツール

情報共有に欠かせないのが、メーリングリストや、Wiki といったツールです。個人プロジェクトといえど、どのようにプロジェクトを進めていくのか、また、各種のドキュメントなどをメモって置く必要に迫れられるでしょう。また、数人で行う場合なら、どのように意思疎通を図っていくのかを決めておくことが大切です。

Wiki — ウィキ

Wiki を知らない人はそれほどいない気がしますが、Web ブラウザを利用して、手軽に Web ページを書き換えることができる Web アプリケーションです。複数人で情報集約ページを作るのにも向いていますが、個人用としても便利です。筆者は、このような原稿を書くのにも、積極的に Wiki を利用しています。Wiki を利用することによって、情報が素早く検索できるようになり、リンクや画像を張るのも簡単になります。

また、開発途中のベータ版を限定公開する場合も、Wiki が役立ちます。手軽に情報を公開し編集できるので便利なのです。さまざまな企業サイトや研究所でも、製品としてリリースする前の開発途中の情報を公開するのに Wiki を利用しています。

日本で有名な Wiki は、何と言っても PukiWiki です。プラグインが豊富なことや、多くのスキンが公開されているので、カッコいいサイトを手軽に立ち上げるのに便利です。

そして、筆者(クジラ飛行机)が開発した KonaWiki も紹介しておきます。KonaWiki は、原稿を書いたり、自分の情報をまとめておくのに特化した Wiki です。プラグインやスキンは少ないものの、tdiary のスキンが適用できたり、「●」や「■」の全角を利用した日本語に特化した Wiki 記法がウリとなっています。

数人での情報共有に便利なツール

Wiki の他にも、メーリングリスト、メッセンジャー、IRC、Twitter のようなマイクロブログなど、こうしたツールを利用することで、意思疎通を図って開発プロジェクトを盛り上げていきたいものです。

携帯電話への通知メールを活用

また、最新情報を通知できる携帯電話も有効に活用したいツールです。携帯電話はだいたいパソコンの横やポケットの中に入れておくものなので、メールで各種の通知が届くように設定しておくと便利なのです。たとえば、メーリングリストのメールを転送するようにしておいたり、サーバーのエラーやシステムのアップデートなどのタイミングで情報を通知するように設定するのです。(ただし、あまりにも通知が多くなりすぎると、通知を軽視するようになってしまうので、重要なもの緊急性があるものをよく吟味する必要があります。)

ファイルの共有は?

テキストやちょっとした画像の共有には、Wiki で十分です。Wiki にはファイルを添付する機能がありますので、これを利用することで、ちょっとしたファイルを共有できます。

しかし、ファイルがたくさんあったりすると、Wiki に添付するのが面倒になります。そんな時は、ファイルの共有サービスを使うこともできます。ソースコードについては、このあと言及するバージョン管理ツールが利用できます。しかし、もう少し手軽に共有したい場合には、オンラインストレージ・サービスを利用するとよいでしょう。

Wikipedia にオンラインストレージのサービスを行っているものが列挙されています。

この中で話題になっているのが、Dropbox で、2GBまで無料で利用することができます。しかも、フォルダにファイルをコピーするだけでファイルを共有することができます。

ソースコード管理のためのツール

そして、ソフトウェアの開発に欠かせないのが、バージョン管理ツールです。いまや個人プロジェクトでも必須のツールです。主流のバージョン管理ツールは、Subversion や Git です。

これらのツールは、コマンドラインから使うのが基本ですが、Windows用のGUIをもったフロントエンドも用意されています。基本を押さえてしまえば、使い方もそれほど難しくないので、導入しておきたいものです。

リポジトリをどうするか

バージョン管理ツールを使うときに悩むのがリポジトリ(バージョン管理ツールの)をどうするのかという点です。自宅サーバーを持っているなら、そこにリポジトリを作れば一番良いのですが、ソースコードを構築するためにサーバーを立てたくない場合などは、無料のホスティング先を利用することができます。

オープンソースで開発する場合には、Google Code や SourceForge が利用できます。これらを利用することで、リポジトリを開発者で共有できます。

しかし、リポジトリを公開したくないという場合もあるでしょう。そんな時は、海外のサイトの assembla や、日本の Backlog などのサービスも利用できます。

もちろん個人でこっそり開発するだけなら、ローカルPCにリポジトリを作って使うこともできます。この場合、万一に備えて定期的にリポジトリのバックアップを取るようにしましょう。

プロジェクト管理のためのツール

そして、日々、発生する課題やバグに対処するために、プロジェクト管理ツール(バグ管理システム)を導入します。これを利用することで、課題やTODOのやり忘れや、バグの修正漏れを防ぐことができます。

有名なもので、Trac や Mantis、RedMine、Bugzilla、影舞 などが利用できます。いずれもオープンソースのものなので、サーバーさえ用意できれば導入したいところです。また、これらのツールは、バージョン管理ツールとも連携が取れるようになっています。

ただ、機能はぐっと劣ってしまいますが、ツリー型の掲示板やスレッド式の掲示板で代用することもできますので、規模に応じて選択できると良いですね。

ツールのまとめ

今回紹介したプロジェクト管理のツールは、Web ブラウザから使えるものであったり、データをサーバーにアップして共有することを目的としたものでした。こうしたツールを利用することにより、複数人数での情報共有や複数のPCを利用が手軽になります。そして個人開発でも威力を発揮するものとなっています。うまくツールを活用することで、作業を円滑に行い生産性を高めるものとなりますが、本稿がその参考になれば幸いです。

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執筆者紹介

クジラ飛行机

クジラ飛行机

くじらはんど(http://kujirahand/)にて、日本語プログラミング言語「なでしこ」(IPA未踏ユース採択)、テキスト音楽「サクラ」(OSPオンラインソフト大賞入賞)など多くのオンラインソフトを開発。著書に「Flexプロフェッショナルガイド」「なでしこ公式バイブル」、「一週間でマスターするActionScript3.0」など。

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